呼吸に意識を向けて過呼吸の抜け出し方を覚える

セロトニン
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呼吸は生きていく上で大切なこと、体内に酸素を取り入れて不要な二酸化炭素を排出する作業です。
それだけではありません、呼吸は精神とも大きく関係しています。

過呼吸と言う病

過呼吸と言うパニック障害の症状があります。
強いストレスにさらされてハッハッと間隔が短く早く浅い呼吸になり、呼吸がコントロール出来ない状態に陥ります。
さらにひどくなると酸素供給が過多になり失神してしまうこともあります。
この症状に陥る方のお話を伺っていますと強い怒りがおもてに出せない人が多いようです。
呼吸は精神の状態が反映されるもの、この過呼吸と言うはその一例です。

精神の状態で呼吸は変わる

日頃無意識に呼吸は行っていますが、呼吸は心の状態に反映されます。
例えば冒頭の過呼吸のように浅く短く早いテンポの呼吸は、怒っていたり、焦っていたり、緊張や興奮している時の呼吸です。
深く、ゆっくりの呼吸は落ち着いて穏やかなリラックスしているの時の呼吸です。
このように呼吸は無意識に行いますがその時その時の精神状態によって速さ深さなど呼吸の方法は違うのです。

呼吸は心と体を繋ぐ

緊張している時に深い深呼吸をすると落ち着くと言うことは多く知られています。
何か人前で話したり、演技をしたりする前に緊張をほぐすために深く深呼吸、落ち着きを取り戻す簡単な方法です。
緊張している時身体は交感神経が優位に働き、脳ではノルアドレナリンという物質が活発に分泌されています。
呼吸は普段よりも短く浅い呼吸になっているのは身体や脳の反応なのです。
これをコントロールするには逆に深くゆっくりの深呼吸をし副交感神経を適度に刺激し体と脳を鎮め落ち着きを取り戻すと言うことは理にかなっています。

滝行での呼吸

我々修験者は滝行を行います。
初心者の方を連れて修行しますと皆さん滝に入った直後、最初は呼吸が出来ません。
水流で体は安定せず水しぶきに巻かれて普段経験したことのない状況に焦ってしまい、それこそ過呼吸のような状態に陥ります。
落ち着きを取り戻すには呼吸なのですが滝行の場合はご宝号と言って御本尊様の名前を叫びます。
例えば『南無大聖不動明王』(なむだいしょうふどうみょうおう)と叫ぶと落ち着きを取り戻します。
この時叫ぶことによって息を安定して吐く事となり、やはり呼吸が安定すると精神も安定するのです。
何度も経験している私は滝行で焦って不安定になることはありませんが、やはり入る直後は息を腹の底から吐いて一気に精神の安定を図ります。
このように呼吸の仕方次第でどのような状況でも精神をコントロールすることは可能なのです。
過呼吸の症状が出る方に滝行をしていただきますと過呼吸の抜け出し方がわかったような気がするとの感想をいただいています。
それが安心感につながってか症状が出なくなったそうです。
ちなみに我が国では現代精神医療が出来る前はお寺で精神疾患の治療をしていましたが、その治療法の一つが滝行です。

呼吸は吐くことに意識を向ける

前項の滝行では声に出して叫ぶことで息を一定に吐いており、吐ききればおのずと息を吸います、それによって呼吸を安定させています。
冒頭の過呼吸の例ですと、この状況になると焦って吸わなきゃ吸わなきゃと吸うことに意識が向いているはずなのですが、吐くことに意識を向けていればこの状態から抜け出せます。
思い切り何かを叫んでしまう事も有効でしょう。
つまり呼吸で精神を安定させるには吸うことに意識を向けるのでは無く、吐くことに意識を向ける事です。
深くゆっくり吐く、腹の底から腹式呼吸まで意識できればベストです。
気功やヨガでも調息と言って呼吸整える修行をしますが同じく吐くことに意識を向けています。

読経の呼吸

読経も声を出し続けますからお経を読んでいる時、呼吸は安定していると言えます。
長く息を一定に吐き続けますから精神の安定を促す調息の側面も持った修行と言えます。
息を吐ききるまで声を出し続けてから息継ぎをすると良いでしょう。
落ち着いた状態を継続させる為には日々続けることも大切、正しい呼吸を身体で覚えるまで継続することです。

正しく吸うには?

息を吐くことばかりになりましたので最後に正しく吸う方法も触れておきます。
吸う時は鼻から吸うのが正しい呼吸です。
鼻の穴には鼻毛が生えていますが、外気に含まれるゴミホコリなどを身体に入れないフィルターの役割を果たしています。
口呼吸になりますとゴミホコリ細菌やウイルスを口や喉の粘膜に直接送り込んでしまいます。
風邪を引く時、喉の痛みから始まる場合、口呼吸になっているはずです。
そして口呼吸になっている場合、脳内の神経伝達物質セロトニンが少ない状態です。
セロトニンは筋肉を固定する役割がありますが少ない場合口がだらしなく開いてしまい口呼吸になるのです。
セロトニンを適切に分泌させる為にも口は閉じて鼻呼吸を意識することです。
逆に口呼吸になっている時はセロトニンが少なく精神にも何らかのストレスがあるとのバロメーターになります。
口呼吸中心を長年続けると歯並びが悪くなるとも言われます、長期間ストレスが多く慢性的にセロトニンが不足している、つまり精神の状態は身体にも影響が出るという一例です。
昔の人は人となりを判断する時に歯並びも見たようですがこれは理にかなった事と言えましょう。

最後に一言

余談ですが他人と口論し喧嘩をしている時に大声で怒鳴るのは怒りで我を忘れる状態になるのを防ぐために無意識に怒鳴って呼吸を安定させていると考察してしまいました。
ちょっと悪い例えですが・・・。

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