昔の精神医療はお寺で行われていた。

うつ病
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現代の精神医療が出来る前はお寺がその役割を担ってきました。
今回の記事はお寺での精神医療はどのように治療してきたのかを紐解いてみます。

お寺が関与していた精神医療

うつ病が社会問題化している昨今、精神科だけではなく敷居を低くし通いやすくなった感のある心療内科も駅前などに多く開業しています。
投薬治療が主になっていますが精神薬も無い時代はどのような方法を取っていたのでしょうか?
精神医療の歴史を見ると実はお寺が関与していたとの記述があります。
仏教が精神修養の道であるならば精神の問題のエキスパート、精神疾患を治せるのも不思議では有りません。
お寺が関与していたのも冷静に考えれば当然のことかもしれません。

日本初の精神病院

日本で最初の精神病院はお寺でした。
京都岩倉の大雲寺が精神疾患治療の始まり、主に滝行で治療を行って延久元年(1069年)には後三条天皇第三皇女が脳病を治癒したと記録があります。
大雲寺は天台宗(現在で単立寺院)のお寺で現在でもその名残で脳病平癒のお守りの授与があるようです。
このように日本の精神疾患治療はお寺が始まり、以降もお寺で治療は行われていました。
その他にも、1394年ごろ愛知県の羽栗の灸寺、光明山順因寺では漢方処方による治療、1599年、大阪府泉州の浄見寺に境内に医療施設爽神堂が開かれお灸による治療、比較的近代でもお寺での治療は行われており、兵庫県丹波の岩瀧寺では滝行による治療を大正期から昭和まで行われていたようです。
その他にも各地の滝行場では癲狂者(てんきょうしゃ)治療が行われていたとの記録が必ずと言って良いほどあるようです。
お寺はお葬式をする場所としか認識されていない現代ですが昔は医療施設としての機能もあったのです。

どのような治療が行われていたのか?

治療法の系統は幾つか有ったようです。
一つは滝行、もう一つは読経、さらにお灸や生薬処方などが行われていたようです。
滝行は私もよく修行します、そしてうつ病の方々を連れ立って修行していただきますと皆さん口を揃えたように不安などのうつ症状がなくなる感覚とおっしゃいます。
そして過呼吸のパニック発作が出なくなった方もいらっしゃいます。
各地の滝行場の記録には比較的近代まで癲狂者(てんきょうしゃ)治療を行っていたと記録があるようです。
読経も脳には良い効果をもたらします。当ブログでも読経を用いた神経伝達物質へのアプローチ方法を記事にしていますが、不安にせよ過度な怒りにせよ神経伝達物質の異常分泌が原因とすればそれを正常に近づければそれらの状態は消え失せるものなのです。
しかし闇雲に読経をしても無駄に終わるもので、個々の症状によって読経や真言読誦の時間などのさじ加減は精神に精通した僧侶が判断していたのでしょう。
そしてお灸や漢方などの生薬漢方薬処方、漢方薬でも精神に効果があるものもあります。
例えば加味帰脾湯(かみきひとう)はうつ症状の不眠症、精神不安が効能、抑肝散(よくさんかん)は神経症、神経過敏、不眠症、怒りっぽい躁傾向向けの効能があります。
飛鳥期に大陸文化を積極的に輸入した我が国ですが、その中に仏教や漢方薬もあり、東洋思想ベースの医療技術は仏教とも相性が良くお寺で処方されていたことは不思議なことでは有りません。

滝行と読経は副作用なしで神経伝達物質を分泌させられる

神経伝達物質とは人の心の状態を作る脳内のホルモンです。
三大神経伝達物質が有名ですが、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンの3つを指しますが仏教の代表的な煩悩は貪、瞋、痴の三毒はこの神経伝達物質の異常を指しているようです。
貪(とん)は貪りで様々な依存的な傾向や中毒症状、瞋(しん)は怒りですから躁状態を指し、痴(ち)は無明(むみょう)仏教や精神のことを知らない無知なことです。
それぞれの物質が多い状態を指しているようですが、これら3つの神経伝達物質の増減の組み合わせで不安や無気力感、躁状態などが作り出されます。
それを現代医療は薬を用いて増減を促しますが、何も副作用と依存性が強い薬を用いずに分泌させることは可能です。
例えば読経はノルアドレナリンを適切に増やす作業、次々漢字を読み上げる作業は集中力の作業ですからノルアドレナリンが分泌されて不安感の解消につながります、理屈は科学的です。
滝行は非日常の緊張や焦りの状態を作り上げて呼吸でセロトニン分泌を促し、緊張焦りから脱出する修行です。
これらの修行を継続して行えばやがて通常の営みをこなせる脳の状態になることは、不思議なことでは有りません。
このように不思議な力で回復していったのではなく現代の精神医療や脳科学のロジックから当てはめても理にかなったものなのです。

現代医療の問題と原点回帰の願い

最近、精神科処方薬の薬害が問題になっています。
ベンゾジアゼピン(BZ)系薬剤の依存性や副作用の問題は代表的な精神科処方薬の薬害問題ですが、その他の抗うつ薬にしても薬効を見ますと不自然な神経伝達物質の分泌を促しているように思えてなりません。
最近ようやく厚生労働省でも薬害の発表がなされていますが、いわゆる副作用の大きい薬を投与するということは、リスクを伴う治療法であることは言うまでも有りません。
投薬療法はモノアミン仮説と言って神経伝達物質の異常分泌によって様々な精神疾患を引き起こしているとの説をベースに神経伝達物質を薬で増減させる療法です。
私自身モノアミン仮説自体否定的な立場では有りませんが、投薬は副作用や依存性のリスクがあることは前述の通りで、薬を用いずに神経伝達物質のバランスを取ることは可能との立場です。
そしてお寺で行われていた治療方法はまさにその効果を修業によって引き出すことであり、矛盾はないように思えます。
リスクの少ない仏教や東洋思想の治療方法を見直して原点回帰を願ってやみません。

最後に一言

私はうつ病を始めとした精神疾患の方々向けに修行方法をお教えしていますが、回復し社会復帰する方々を目の当たりにしています。
当ブログにも精神に良い効果のある幾つかの方法を記事にしていますのでご興味ある方はお読み下さい。

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