精進潔斎でドーパミンリセット

ドーパミン
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修験者は修行で山に入る前に精進潔斎(しょうじんけっさい)と言って肉や魚など動物性のものを食べない期間を設けます。
これは一見ヴィーガン菜食主義の動物愛護の精神と誤解をされがちです。
これは実は動物愛護とはあまり関係なく修行に適した煩悩が働きにくい脳にするためなのです。

精進潔斎と言う修行

冒頭の精進潔斎、私の場合山の修行前以外でも大祭など大きな修行がある時は、一週間ほど前から肉魚を一切食べず玄米粥で過ごします。
おかずは梅干しや、昆布の佃煮、香の物程度、牛丼やハンバーガーといったファーストフードとは異なり味はとてもシンプルです。
これを行いますと嗅覚や味覚がリセットされたような感覚になります。
そしてメンタル面での変化としては、食に対する執着が薄れていく気がします。
日頃お昼に何を食べようかな?ニンニクマシマシでラーメンがいいかな?ドライブスルーでチーズバーガーがいいかな?それとも牛丼特盛!? などと考えます。
本来食というのは肉体を維持するため、栄養素や活動に必要なカロリーを摂取するためにあるものです。
しかし何か具体的な食べ物のイメージで浮かんでくるということは、空腹を満たす欲求ではないようです。

空腹だから食べたいのではない

食欲というものが空腹を満たすためのみであれば何でも良いから口に入れお腹を満足させたいとそれのみになるはずです。
しかし何々が食べたいと具体的なイメージで湧いてきてしまう、これはなぜ起こるのでしょうか?
これを紐解くには脳の神経伝達物質ドーパミンを知ることです。
ドーパミンとは欲望を司る神経伝達物質です。
食べるということに限ってだけではありませんが、何々をしたいと思いそれが達成されると満足して快感をもたらす物質です。
例えば何かが食べたいと思う、この段階でドーパミンが放出されます、そして食べたいと思ったものを食べられた時にドーパミン受容体と結合しその時に満足感など快感をもたらします。

ドーパミン活動のサイクルが短い現代社会

現代社会ではコンビニやファストフードで欲しいと思えばすぐ手に入る時代ですから、これが食べたいと思ってそれが食べられるサイクルが非常に短くなっています。
昔であれば春に種をまいて秋に収穫しやっと食べたいと思ったものが食べられる、このくらいの期間のサイクルだったはずですが、現代社会では労せず何でも手に入る時代ですから非常に短いサイクルでドーパミンが放出、受容体結合が繰り返されているのです。
サイクルが短くドーパミン受容体に結合する機会が多くなりすぎるとドーパミン受容体が疲弊して減少してしまい、より強く欲しいとの欲求が生まれてしまいます。
ドーパミン受容体が減少すれば行き場を失ったドーパミンが過剰になることは容易に想像できるでしょう。
その段階では、欲しいと思って得られないストレスはどんどん肥大化しているのです。
さらには、欲しいものがすぐ手に入る環境というのは、それが当たり前と思ってしまうので、より強い刺激を欲しがるようになってしまいます。

求不得苦とは得られない苦しみ

仏教では四苦八苦と言って人の苦しみの幾つかのパターンを説いていますがその中に求不得苦(ぐふとくく)という苦しみがあります。
欲しいと思っても得られない苦しみですが、この苦しみはまさに前述のドーパミン受容体減少を指しています。
何でも簡単に手に入る時代に得られない事で苦しむなど無いだろうと思いがちですが、不思議なことにむしろ簡単に得られることによって引き起こされる苦しみなのです。

肥満のメカニズム

少し話はそれますが肥満のメカニズムを知るとわかりやすいので記載します。
肥満の方の食生活を見ていますと、空腹だから食べるというよりはこれが食べたいあれが食べたい、食べたいがために食べているそのような印象を持ちます。
何々のチョコレートを食べたい、どこどこのピザが食べたい、あそこのお店のラーメンが食べたいと具体性を持ってイメージしているはずです。
これはドーパミンの働き、想像力もこの神経伝達物質の性格です。
肉体を維持するために食べるのではなく、想像力たくましく特定の食べ物を食べたことの満足感を得たいという欲求なのです。
ですから生命維持活動のための本来の食欲とまた別な欲望、食欲の質が違うのです。
肥満はまさにこの求不得苦が引き起こした病、空腹だから食べるではなく、あれが食べたいこれが食べたいと思い浮かんで食べ続けてしまう、食べたいと思い浮かんだ食品が食べられないことが辛いので食べ続けてしまうのです。

ドーパミン受容体を回復させる

ドーパミン受容体の回復をさせるためには、欲しい欲しいと思う状態から一旦離れて、食欲で言えばただ単に空腹だから食べると言った生理的欲求に変える必要があります。
ラーメンが食べたいチーズバーガーが食べたいと具体的な食べ物が思い浮かぶ欲求ではなく、純粋に空腹だから食べたいと言った思考に変えることです。
これには、精進潔斎が最適、冒頭にも申し上げましたが私の場合肉魚抜きで玄米粥の生活を一定期間行いこのような思考に陥らない状態に戻す作業を行っています。
味気の少ない食を続けると段々と食材の持つ繊細な味に気が付くようになります。
野菜の土の香りが美味しく感じられたり繊細な味覚が感じられるのです。
その状態になるとファストフード全般は刺激が強すぎるように感じてしまい、さらには添加物の不自然な味に気がついて自然に避けるようになります。
なになにが食べたいと言う欲求は限りなく少なくなりますので間食は一切しなくなり、空腹感も心地よく訪れるようになるのです。
この状態になりますと徐々に回復していると言えるでしょう。

読経と一緒に行う

精進潔斎の時に具体的な食べ物が食べたいと思う心の状態に意識を向けて下さい。
なになにが食べたいになってしまうのはドーパミンの過剰によって引き起こされます。
これを減少させるには読経が最適です。
読経は神経伝達物質を整えますので過剰になったドーパミンを減少させる効果があります。
そして読経後は千呪行で真言を繰り返し唱えればセロトニンが分泌されて落ち着きを取り戻しますからどうしても欲求が抑えられない時に読経と千呪行(真言読誦)の瞑想を行ってみて下さい。
読経と千呪行の方法は下記記事を参照して下さい。

コメント

  1. Zukkoke05 より:

    友人に紹介できる良い内容だと思います。
    すでに紹介していて、感謝されました。
    自分としても鼻が高い。笑